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第2回動詞2練習問題
第2回動詞2練習問題解答


第2回 動詞2

 

今日は、動詞の活用の種類について勉強しましょう。

動詞は、その活用パターンの違いによって、次の九種類に分類されます。

 

*古文では、

  ザ行 ざ じ ず ぜ ぞ

  ダ行 だ ぢ づ で ど

  ヤ行 や い ゆ え よ

  ワ行 わ ゐ う ゑ を

となります。各行で使われるひらがなをしっかり確認しておいてください。

 

〔動詞の活用の種類〕

@ 四段活用 

、活用語尾が「−a、−i、−u、−u、−e、−e」のパターンになるものです。下の活用表で確認してください。

* −の部分には、活用の行に応じた子音が入ります。カ行ならk、マ行ならmです。

未然形語尾にア段音が出てくるのが四段活用の特徴です。下の活用表の未然形語尾の欄を確認してください。

、現代語で「書かない」「読まない」となる動詞(五段活用)の多くは、古文では「書かず」「読まず」となる四段活用に対応します。 

*「書けない」「読めない」の形を思い浮かべるかもしれませんが、この「書け」「読め」は「書ける」「読める」という動詞の未然形です。「書くことができる」「読むことができる」という可能の意味を持つので可能動詞といいますが、古文には可能動詞はないと思ってください。

、「飽く」はカ行四段、「足る」はラ行四段ですから、注意してください。

語例

語幹

未然形語尾

連用形語尾

終止形語尾

連体形語尾

已然形語尾

命令形語尾

活用の種類

書く

カ行四段活用

読む

マ行四段活用

飽く

カ行四段活用

足る

ラ行四段活用



A 上二段活用

、活用語尾が「−i、−i−u、−uる、−uれ、−iよ」のパターンになるものです。下の表で確認してください。

* −の部分には、活用の行に応じた子音が入ります。ガ行ならg、タ行ならtです

未然形語尾にイ段音が出てくるのが上二段活用の特徴。下の活用表の未然形語尾の欄を確認してください。

、現代語で「過ぎない」「落ちない」となる動詞(上一段活用)の多くは、古文で「過ぎず」「落ちず」となる上二段活用に対応します。 

、「
(お)」「(く)」「(むく)」の三語はヤ行上二段活用、「(うら)」はマ行上二段です。これは即暗記です。

語例

語幹

未然形語尾

連用形語尾

終止形語尾

連体形語尾

已然形語尾

命令形語尾

活用の種類

過ぐ

ぐる

ぐれ

ぎよ

ガ行上二段活用

落つ

つる

つれ

ちよ

タ行上二段活用

老ゆ

ゆる

ゆれ

いよ

ヤ行上二段活用

悔ゆ

ゆる

ゆれ

いよ

ヤ行上二段活用

報ゆ

ゆる

ゆれ

いよ

ヤ行上二段活用

恨む

むる

むれ

みよ

マ行上二段活用



B 下二段活用 

、活用語尾が「−e、−e、−u、−uる、−uれ、−eよ」のパターンになるものです。下の活用表を確認してください。

* −の部分には、活用の行に応じた子音が入ります。カ行kなら、ガ行ならgです。


未然形語尾にエ段音が出てくるのが下二段活用の特徴です。下の活用表の未然形語尾の欄を確認してください。

、現代語で「受けない」「逃げない」となる動詞(下一段活用)の多くは、古文では「受けず」「逃げず」となる下二段活用に対応します。

、「
(う)」「心得(こころう)」はア行下二段動詞ア行で活用する動詞はこれだけです即暗記

、「
(ぬ)」はナ行下二段活用で、「(ふ)」はハ行下二段活用です。即暗記。

、「
(う)う」「(う)「据(す)」の三語はワ行下二段活用です。これも即暗記

語例

語幹

未然形語尾

連用形語尾

終止形語尾

連体形語尾

已然形語尾

命令形語尾

活用の種類

(う)

くる

くれ

けよ

カ行下二段活用

(に)

ぐる

ぐれ

げよ

ガ行下二段活用

(う)

うる

うれ

えよ

ア行下二段活用

心得(こころう)

うる

うれ

えよ

ア行下二段活用
(ぬ)

ぬる

ぬれ

ねよ

ナ行下二段活用

(ふ)

ふる

ふれ

へよ

ハ行下二段活用

(う)

うる

うれ

ゑよ

ワ行下二段活用

(う)

うる

うれ

ゑよ

ワ行下二段活用

(す)

うる

うれ

ゑよ

ワ行下二段活用



C 下一段活用

、「け、け、ける、ける、けれ、けよ」と活用するものです。

、古典語で下一段活用の動詞は「
(け)一語だけです。即暗記です。

語例

語幹

未然形語尾

連用形語尾

終止形語尾

連体形語尾

已然形語尾

命令形語尾

活用の種類

蹴る

ける

ける

けれ

けよ

カ行下一段活用



D 上一段活用

、活用語尾が「−i、−i、−iる、−iる、−iれ、−iよ」のパターンになるものです。

*上一段活用の動詞の多くは語幹がありません。下の活用表の語幹の欄を確認してください。活用の行、特にヤ行上一段とワ行上一段に気をつけてください。これも活用表でしっかり確認してください。

、上一段活用の動詞は、「着る」「似る」「煮る」「(ひ)」「見る」「(い)」「(ゐ)」「(ゐ)」「(こころ)みる」「(もち)ゐる」など少数ですから、活用表全体を覚えてしまいましょう

語例

語幹

未然形語尾

連用形語尾

終止形語尾

連体形語尾

已然形語尾

命令形語尾

活用の種類

着る

きる

きる

きれ

きよ

カ行上一段活用

似る

にる

にる

にれ

によ

ナ行上一段活用

煮る

にる

にる

にれ

によ

ナ行上一段活用

干る

ひる

ひる

ひれ

ひよ

ハ行上一段活用

見る

みる

みる

みれ

みよ

マ行上一段活用

射る

いる

いる

いれ

いよ

ヤ行上一段活用

居る

ゐる

ゐる

ゐれ

ゐよ

ワ行上一段活用

率る

ゐる

ゐる

ゐれ

ゐよ

ワ行上一段活用

試みる

みる

みる

みれ

みよ

マ行上一段活用

顧みる

みる

みる

みれ

みよ

マ行上一段活用

用ゐる

ゐる

ゐる

ゐれ

ゐよ

ワ行上一段活用



E カ行変格活用(カ変)

、活用語尾が「こ、き、く、くる、くれ、こ(こよ)」と活用するものです。

*命令形は、「こよ」が新しい形で、平安時代までは「こ」が普通です。

、カ変動詞は「(く)」、及び複合動詞「帰り来」「まうで来」「まゐり来」など少数です。活用表全体を覚えてしまいましょう

語例

語幹

未然形語尾

連用形語尾

終止形語尾

連体形語尾

已然形語尾

命令形語尾

活用の種類

くる

くれ


(こよ)

カ行変格活用

帰り来

帰り

くる

くれ


(こよ)

カ行変格活用



F サ行変格活用(サ変) 

、活用語尾が「せ、し、す、する、すれ、せよ」と活用するものです。

、サ変動詞は「」「おはす」「ものす」、および「漢語+す」「漢語+ず」の形があります。活用表全体を覚えてしまいましょう

語例

語幹

未然形語尾

連用形語尾

終止形語尾

連体形語尾

已然形語尾

命令形語尾

活用の種類

する

すれ

せよ

サ行変格活用

おはす

おは

する

すれ

せよ

サ行変格活用

ものす

もの

する

すれ

せよ

サ行変格活用

愛す

する

すれ

せよ

サ行変格活用

(ぎん)

ずる

ずれ

ぜよ

サ行変格活用



G ナ行変格活用(ナ変)

、活用語尾が「な、に、ぬ、ぬる、ぬれ、ね」と活用するものです。

、ナ変動詞は「死ぬ」「
(い)の二語だけです。

語例

語幹

未然形語尾

連用形語尾

終止形語尾

連体形語尾

已然形語尾

命令形語尾

活用の種類

死ぬ

ぬる

ぬれ

ナ行変格活用

往ぬ

ぬる

ぬれ

ナ行変格活用



H ラ行変格活用(ラ変)

、活用語尾が「ら、り、り、る、れ、れ」と活用するもの。終止形語尾が」になることに注意です。

、ラ変動詞は「あり」「
(を)」「侍(はべ)り」「いますがり」「斯(か)かり」「然(さ)り」「然(しか)り」など小数。即暗記です。


語例

語幹

未然形語尾

連用形語尾

終止形語尾

連体形語尾

已然形語尾

命令形語尾

活用の種類

あり

ラ行変格活用

居り

ラ行変格活用

侍り

ラ行変格活用

 

*動詞の活用の種類の見分け方のコツは、

 

1、下一段、上一段、カ変、サ変、ナ変、ラ変は最初に丸暗記してしまう

 

2、それ以外の四段、上二段、下二段については未然形の形から判断するということです。それでも分からないものは古語辞典で確認しましょう。

 

 

練習問題に進みましょう。

 

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