導電性ゴムの応用として特許申請したものです。ご批判をいただけましたら幸いです。
導波管の接続は一般に、導波管接続部であるフランジにガスケット用溝とチョーク溝を形成し、ガスケット用溝にはガスケットを挿入し、溝のない平面フランジと対面させビスナット等で圧着させる。
ガスケットは導波管内外を物理的に遮断し、導波管内に外気や水分の侵入を阻止し、導波管内に挿入された乾燥空気の湿度を一定値以下に保持し、導波管内を伝搬するエネルギーの電送損失を増す導波管内面腐食を防ぐと共に導波管内で電送エネルギーが放電したりする事故を防ぐ。またチョーク溝は導波管内から奥行き半波長の末端短絡伝送路を構成し、フランジ面が電気的に完全接続しなくとも導波管内の電磁エネルギーが外に漏れるのを防止する。
しかし、このチョーク溝は工作の都合から導波管の中心から完全な円状に作られており、導波管内壁からの距離は一定に出来ない。したがって、導波管内を伝搬する電磁波の外部への漏洩は導波管接続部の位置によって性能が異なる。また、導波管内を伝搬する電磁エネルギーの周波数によっては外漏阻止効果が低下する。更に、ガスケットは細い輪ゴム状の形態をしており、導波管接続時には完全に内部に隠れてしまうため、フランジ接続時に一部が溝から外れたり、挿入を忘れても外部から確認がしにくく、フランジ接続が不完全になる事故も発生する。
以上のように、性能の不十分さ、接続部での伝送効率の低下の他、チョーク溝等の製造によるコスト高、チョーク溝を構成するためフランジ部の重量が増える等の問題がある。
本考案は、母材となるゴムに導電性の充填材を配合した板状の導波管接続用ゴムガスケットであり、このガスケットを両面フランジの間に挟み込みフランジをビスナットで締め付ける。
これにより、導波管の内外を波長が大きく異なる電波を伝送するに際しても、接続部で伝送効率の低下を招来する虞れが少なく、挟み込んだ導波管接続用ゴムガスケットを外から確認でき、コスト的に安価に内外の電気的或いは物理的遮断が十分に出来る。