本論文は財団法人ディフェンス・リサーチ・センターのDRC年報2002に掲載された論文です。ご批判をいただけましたら幸いです。
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の実態は不明な点が多い。その原因は、
1.極めて厳しい情報管理(秘密主義)がなされていること、
2.北朝鮮が公表するデータが少ないこと、
3.発表されるデータに作為がなされている疑いがあること・・・等にある。
北朝鮮の国家予算は建国以来順調に増え続けていたが、1995年大幅な減額をした。また、北朝鮮の軍事費率は1970年代初頭からほぼ15%を維持している。
本報告では公表、あるいは推測されている北朝鮮の国家予算や軍事費及び客観性のある貿易額等のデータから北朝鮮の国家予算や軍事費の実態の推定をした。その結果、北朝鮮のデータには大幅な粉飾があり、図1に示すように国家予算を大幅に減額をしたのは発表の年ではない。また、図2のように軍事費は国家予算の30%以上を維持している。等多くの疑問点が浮かび上がっている。
細部は論文
「朝鮮民主主義人民共和国の国家予算と軍事費に関する考察」
を参照願います。
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図1 北朝鮮の国家予算推移北朝鮮は建国以来順調に国家予算が増え続けていたが、1995年前年比50%近い大幅な減額を発表し現在に至っている。しかし、この減額は発表の5年前で、その後も減額を続けている。 |
図2 北朝鮮の軍事費率推移1972年北朝鮮は国家予算に対する軍事費率を、それまでの約30%から約半分の15%に削減し、その後現在まで約15%となっている。しかし、軍事費率は依然として30%以上を維持している。 |